先生に影響を与えたもの

<佐藤さん>先日、松下幸之助氏が書かれた本の中で「素直さを大切にしたい」「色々な考えや意見についての素直に聞く耳を持って、一度受け入れてから自分の信念に照らし合わせて、取捨選択し、自分の中で正しい判断、正しい行動の移す為の原動力にすれば良い」と書かれていた事がとても印象に残りました。 先生がこれまでに出会った文献や言葉、また、歴史上の人物の中で先生に影響を与えたものはありますか?

<阿部先生>部分部分で尊敬する人物がいます。 ガンジーは、こうと決めたら梃子でも動かないような一貫した信念を持って行動していたでしょう。そういう、一貫性というのは非常に大事な事だと思います。

また、松下幸之助と言えば、「会社の経営というのは、自分の為ではなく、社会の為にやるんだ」という言葉が印象に残っています。昔、石川県で企業誘致をしていた時、松下電器は地方に工場をドンドン出していました。傍から見れば、儲かりそうな所だけに工場を集中させれば良さそうにも感じられましたが、松下電器が社会的な企業だからこそ、働く人がいる所に、働く場所を作る、企業としての利益ではなく、そちらを優先して行くといった考え方なんですね。全国各地に工場を作って、雇用を創出する、そして結果的に松下電器を更に大きくする事に繋がって行った訳です。
「情けは人の為ならず」と言いますが、人の為にやる事の大切さを学んだように思います。今、川崎が中国に技術協力をしている事もそうした考えによるものです。
それから、西郷隆盛のように、大所高所から物事を見極めて、それに、ズバッと切り込んで行くような人物と言うのは、それぞれの時代に要請される人物像だと思います。

そして、実際の理論として、チェスター・I・バーナードという、アメリカの電信電話会社の社長をしていた人物の『経営者の役割』という本があり、この方は学者ではありませんが、その内容は、あの時代のみならず、今の日本に合うような経営理論のように思われ、これが私の経営論のテキストになっています。

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